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zoom RSS 多汗症って病気なの?

<<   作成日時 : 2006/07/18 23:13   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 1 / コメント 2

前に「発汗異常の分類」で汗の量と異常部位の話をしました.
多汗を呈する病気はいろいろとありますし,また後に書こうと思っていますが,
今回は「手掌多汗症」に限って考えてみましょう.

「病気」をYahoo!辞書で引いてみると
1 生体がその形態や生理・精神機能に障害を起こし、苦痛や不快感を伴い、健康な日常生活を営めない状態。医療の対象。疾病(しっぺい)。やまい。
2 悪い癖や行状。「いつもの―が出る」

この意味から解釈すれば,多くの手掌多汗の人は病気と言ってもいいのかもしれませんね.
つまり,
手のひらの汗が異常に多く(生理的障害),
他人に気づかれたら嫌だ,ベタベタして気持ち悪い
..などという精神的苦痛や不快感を伴い,
商品に手汗がつくと売り物にならない,
つり銭をうまく渡せない,受け取れない,
試験の時に回答用紙を破いてしまう,
フォークダンスで手をつなげない,鉄棒が滑ってできない,
..というような日常生活に支障を来たす.

以前は「汗が多くても死にはしないから」「気にしすぎなんだよ」などとされ,
治療の対象とされることは多くはなかった手掌多汗症.
しかし胸腔鏡下胸部交感神経節切除術(ETS)の手掌多汗症に対する保険適用が認められてから,
多くの医療機関でこの手術による「治療」が行われるようになりました.
この治療法の是非はまた別の機会に論ずることとし,
このように眺めてみると,
手掌多汗症は病気と呼んでも,いいのかもしれません.

また,
ボトックスのお話に書きました Hyperhidrosis Disease Severity Scale (HDSS).
「多汗症疾患の重症度スケール」にもあるように,
「手掌多汗が頻繁に起こって,それが日常生活の妨げになる」ということならば,
それは「治療の対象」となり,病気と言ってもいいのでしょう.

ただ私は,これを病気と呼ぶことで,
「すぐ治さなければならない」「手汗をなきものにしなければならない」という,
強迫観念に囚われ,ドクターショッピングをしたり,
あるいは安易に手術に走ってしまったりと,
そういう行動に出られる方も増えるのではないかと危惧し,
こう呼ぶことに抵抗を感じるのです.

身近に塩化アルミニウム液を処方して様子をみてくれるところや,
イオントフォレーシスなどで治療してくれるところがあればいい.
A型ボツリヌス毒素による治療法が保険医療として確立されれば,
美容整形などで全額自費払いしなくてもよくなれば嬉しいし,
あるいは,手汗にとらわれ,心まで病んでしまった方々を,
メンタル面からのアプローチで,その痛み,症状を取り除いてくれる.

すなわちこんなふうに,医療サイドの治療体制が整ったならば,
もっともっと大きな声で,
この世には手汗が出すぎて困っている人が何人もいるんだぞ!
そういう人たちは病気なのだから,早く病院に行ったらいいよ.
そんなことも言えるかも..
なのですが,残念ながらそうではないのが現状です.

「手掌・足底多汗症の神経活動」の記事で,
手掌多汗の方の交感神経の活動性は,
安静時でも人より高く,反応性も増して過敏になっていることを示しました.
手掌多汗症は皮膚交感神経活動が過剰になっている病態ともいえるワケです.
そう捉えると,ならばその過剰に活動している神経をどう抑えるか,
という治療法を考え,対処するという展開にもつながっていく.
その極端な例が,その神経のもっと上流で,切ってしまえばいいではないか,
という手術なのかもしれませんが...

話が難しくなりました..m(__)m
まとめましょう.
手掌多汗症は病気といってもいいです.
けれども,その言葉に囚われず,自分の症状と対峙し,
いまだ乏しい医療資源を,うまく自身で検索し,その対処にあたってください.
残酷な言い方にはなりますが,
病気だからお医者さんに行けばいい.それで簡単によくなるものではない.
..ということをご理解いただけたら幸いです.


※汗関連情報は「ゆう星☆汗の輪」へどうぞ.

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からだ元気科
日テレ系医療情報番組「からだ元気科」 今春,2006年3月10日「ポタポタ落ちる手の汗 手掌多汗症」と題し, 手汗のことが放映されました. 朝の11:00から11:25という時間帯だったので, 見られた方はそんなに多くはないかもしれませんね. ...続きを見る
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2006/07/19 22:19

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
病気と認めてくれて私は助かりました。

ゆう星☆さんのおっしゃるように、病気=治療
と簡単じゃないんですよね…。

簡単に病気と言えないことを
まとめていただいてありがとうございます。

多汗症の知識がないお医者さまも多いことも
現状だし。

「汗」が命にかかわることじゃないとカタズケられ、
医学の進歩が遅れてしまったそうですね…。

メンタル面でのケアがかなり必要な
症状なので、せめて親だけでも理解してくれて
お子様の成長を見守ってほしいです。
なな
2006/07/18 23:55
ななさん.コメントありがとうございます.ブログの方にコメントをもらえると嬉しいです!
「病気と認める」..なるほどねぇ.このとんでもない異常はなんなんだ?あぁ病気なんだ..
で,その先.治療法とかその辺は,病気とされて変わりましたか?
そうでない場合との大きな違いは,なんなんだろう...
ゆう星☆
2006/07/19 22:10

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