手のひら・足の裏多汗症の総合的治療

平成18年8月25・26日に開かれた「第14回日本発汗学会総会」.
その2日めのシンポジウム「掌蹠多汗症の総合的治療」において,
今日の手掌・足底多汗症の治療方法がディスカッションされました.
..ちなみに「掌蹠」は「しょうせき」と読み,
掌が手のひら,蹠が足の裏です.

演題および演者の先生です.
1.水道水イオントフォレーシスによる多汗症の治療
 嵯峨賢次(札幌医科大学 皮膚科)
2.ボツリヌス毒素Aによる掌蹠多汗症の治療
 清水宏和(愛知医科大学 皮膚科)
3.掌蹠多汗症に対する胸部交感神経遮断術 オーダーメイド治療をめざして
 吉岡 洋(名古屋第二赤十字病院 呼吸器外科)


残念ながら,Webサイト「汗の輪」でまとめている手汗対処法に関し,
新しいものはありませんでした.
しかし,それぞれご専門の先生方の治療法を,
いまの時点で,あらためて直接お聴きすることができ,
症例に合わせた工夫や,注意事項など,
そんなノウハウの数々を少し深めることができました.

このシンポジウムと,個人的に他の先生方にもお聴きしたところで,
最近の治療の選択手順 をまとめてみますと...

まずは,
1.外用剤(塩化アルミニウムなど)
で様子をみる.
これでコントロールできたら万々歳!

残念ながら,あまり効果が出ないようなら,
2.水道水イオントフォレーシス
あるいは,
3.ボツリヌス毒素皮内注射
を試してみる.
それぞれ長所,短所があり,またできる施設が限られることや,
保険適用の問題もあるため,
それら事情を考え合わせて第2の選択肢を決める.

これでもダメな場合で,どうしてもQOLに支障を来たし抑えたい場合.
4.胸腔鏡下交感神経遮断術
を最後の選択肢とする.
ただし,この手術については施設間の技術差も大きく,
最も多い副作用である代償性発汗について熟知し,
個人個人に合わせた治療(オーダーメード治療)のできる先生を選ぶこと.

「汗の輪」の中「手のひらの汗の対処法(一覧)」では
神経ブロック療法心身医学療法なども紹介していますが,
演者の先生のご都合もあったのか,それらのお話はありませんでした.
それらの効果が,ボツリヌス毒素やETSより著明でないことも,
ディスカッションの対象に入らなかった一因かもしれません.
手汗で困っておられる方の苦痛を,少しでも早く取り除くためには,
ボツリヌス毒素のような方法が「手っ取り早い」のかもしれません.

今回提示した個々の治療法については,
最近のトピックスも含めて,またこの後にさせていただきますね.
お楽しみあれ.


※汗関連情報は「ゆう星☆汗の輪」へどうぞ.

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